先日の

爆弾低気圧。


4月3日(火)の段階で、
西日本を中心に広い範囲で暴風雨が吹き荒れ、
突然の春の嵐に翻弄された方も多かったのではなかろうか。


そんな中、新大阪駅

トホーに暮れる一家の姿
があった。



ナニを隠そう、
小生のご一家ご一同様
である。

4月1日(日)から家族4人で、

キッザニア甲子園

ユニバーサルスタジオジャパン
二泊三日ご家族の旅


を敢行し、今まさに鹿児島へ帰ろうとしていたところであった。



この日は朝から雨であった。

週間天気予報では、旅程内はすべて晴れで、
雨の心配は無用だと高をくくっていたのであるが、
前日の晴天とは打って変わってどんよりと雲が低く立ちこめ、
時折大粒の雨が降っていた。

もちろん雨の準備をしてきていなかったので、
ビニール傘やレインポンチョを購入して
それはソレで楽しく時間を過ごし、
15時59分発
さくら565号
に乗るだけの状態であった。

しかし、ユニバーサルシティ駅を出発する頃には、
突然の突風 が吹き荒れ
道を歩いてなどとてもいられないような状態になり、
(事実手を引いていた次男氏は
小生がつかんでいなかったら
どっかに飛んで行っていた)

電車も大幅に遅れ
大阪環状線も運転を見合わせている状態。

それでもある程度の余裕を見て行動していたため
15時半には新大阪駅に着くことができた。



・ ・ ・ ・ し か し ・ ・ ・ ・




JR西日本の管内で
新幹線はすべてストップしており
復旧の目処が立っていないという。


その時点で、14時59分発の
さくら561号がプラットホームで
動けずに停車している状態。


昼食はホンの軽く済ませ、
車中で駅弁を
と購入していたのであるが、
待合席であふれる乗客の中、
なかなか食すタイミングもない。


しばらく待っていると、
どうやら運休の新幹線も出ていると
アナウンスが聞こえた。


自分らのさくら565号はどうかいな、と
入口近くの電光掲示板を見てみると・・・・




表示がない。


ずっと後発の便名は書かれているが、
565号はない。


あわてて窓口の係員に聞いてみると、

「すいません、その便は運休になりました」






∑( ̄口 ̄;)!ガーン!!




キイテナイヨ!!



あわててみどりの窓口に並ぶも、
ここも長蛇の列。

1時間近く並んだ末に聞き出せたことは、


今日の運転再開の目処も立たず、
よって便もどの便が動くかわからないので
指定席の発行もできない。
最も早く帰るためには、
今ホームにいる新幹線の自由席に乗って
広島までと決まってはいるが
そこまで行くことで、
そこから先は新幹線が動いている

とのこと。

くたびれ果て待合で待つ
ヨメ氏長男氏次男氏をせき立て、
ホームに上がって見るも
すでに自由席は
通路にまで乗客があふれている
状態。

それでも果敢に大荷物をひっさげ
自由席の奥に入り込んだ。


しかししかし。

待てど暮らせど新幹線は動かない。

そのうちに、フツーに移動しても
鹿児島にまでたどり着けない
時間になってしまった。



決断の時。


このままもし新幹線が動いたとしても、
広島までずっと立ったままで行き、
しかも行った先で次の列車に乗り換えたとしても
鹿児島まではたどり着けず、
おそらく夜の10時11時になってから
行けたところで宿を探さなくてはならない。


絶望。



よって、そこから自由席列車を降りる。

すでに立錐の余地なく
通路に立つ人々をかき分け、
デカいスーツケースを引きずりながら
迷惑は重々承知の上で降りる。


さらに受難は続く。


宿を確保しようにも、すでに駅の観光業者の窓口では
手持ちの宿泊施設は底をつき、
案内できない状態であった。


そんな中役に立ったのが
楽天トラベル

新大阪駅近くでは確保できなかったが、
野田駅近くなら宿が取れた。

後から野田駅を調べてみると、
先般必死の思いで出発した
ユニバーサルシティ駅の至近であった・・・・(;¬_¬)


まぁよい。

泊まれれば。



なんとか翌朝の新幹線の指定席
乗り換えの席を確保、
宿に着いたのは22時過ぎであった。








疲れた。






とりあえず買ってはいたものの
食す機会を逸していた駅弁
を家族4人、
細々と狭いホテルの部屋で食し、就寝。



何せ翌朝は6時半の便だったからな。



ということで5時過ぎ起床、
新大阪駅に向かったのであった。




帰って来れたよ、鹿児島。
(つд`)





いやぁ、
USJやキッザニアの想い出よりも、

決死の帰りの便確保

のほうが記憶に残ってしまったではないか。





そんな他人にはどーでもよい旅行記はさておき。
(※注:このblogは日記です)






どうしても書いておきたい店があった。


場所柄、多くの人を集める店ではないが、
クチコミで「ウマい!」というウワサが広がり
着実にファン層を拡大している店。

小生もウワサを聞きつけ、
いつかは訪れてみたいと思っていたのだ。


その店の名は

薩摩思無邪



「さつましむじゃ」と読むらしいが、
そもそもこの「思無邪」というコトバ、
薩摩の名君と称えられる

島津斉彬公

の座右の銘として有名で、

「思いよこしまなし」

と読むのが正しい。


2001年に韓国を訪問した小泉純一郎首相(当時)が
韓国の歴史展示館の記帳の際に誌した言葉として
一躍有名になった。


心情を率直に表し、偽ったり飾ったりすることがない
という意味である。


まさにこの店のご店主の心情を表している店名ではないか。



薩摩思無邪への初襲は、
3月の初旬であった。

シゴトで休日出社、
昼食にぶらりと訪れたものだ。

昨夜は二回目、
徹夜作業前の腹ごしらえと、
同僚と二人で入店。



場所はわかりやすいといえばわかりやすいが、
わかりにくいといえばわかりにくい。
(どっちやねん(;¬_¬))


【鹿児島国際大学の正門前】

と目指して行けば迷いようがない。



大きな地図で見る

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店の外観は、小さな茶屋のよう。


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店内は8席ほどのL字カウンターのみ。

メニューは壁に大書されている。

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学生街、ということもあろうが、
基本のラーメン

「薩摩」



「博多」

という二本立て看板メニュー
双方とも600円というのがオドロキ。

各種トッピングも魅力であるが、
中でも目を引くのが

ごぼう 100円。


これらを一通り楽しむには、

薩摩 全部のせ 900円

という選択肢もある。

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実は小生は2回とも、
この

全部のせ

をいただいてみた。



狭いキッチンではあるが、
それぞれの配置などがよく考えられており、
無駄がない。

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厨房調理台の奥から、
大きな金属製ボウル
が火にかけられており、
その中には白薩摩・黒薩摩のドンブリ
湯煎にかけられている。

この湯煎により、いつでもドンブリが熱々の状態に保たれており、
冷めることのないラーメンを提供することができるのだ。

その手前のガスコンロには、
大小各種の鍋、厚手の鋳物フライパンなどが
効率的に配されている。

そして調理台左端には麺茹で機。

低い段には小振りの寸胴が置かれ、
スグに提供できるスープを温めている。

一番左端には冷蔵庫の上が配膳台になっており、
ここで盛り付けを施し提供される。

右から左へと、流れ作業のようにラーメンができあがっていく。


ご店主は、愛想がいいとか、
話し上手とかではない、
物静かな雰囲気ではあるが、
一人一人の客に対し

真摯に向き合い真っ向勝負を仕掛けてくる。


大塚明夫そっくりの
深いバリトンの張りのある声で応対し、
印象もさわやか。

もし手が空いていれば、
外まで客を送り出し挨拶をするのである。

なかなかできることではない。


さて、オーダを済ませ店内を観察。
先のように調理のよく考えられた配列、
手際の良さなどを感心しながらしばし。

卓上には、
辛し高菜紅ショウガが載せられ
自由に楽しむことができる。

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この辛し高菜が出色。

古漬けでやや乾燥した高菜の千切りに、
パウダー状の唐辛子&胡麻がまぶされている。

表面の辛さなので強く辛みを感じる向きもあるかも知れないが、
実に深い味わいを醸し出している。

紅ショウガも真っ赤に着色されたものではなく、
ほどよく紅色に染まっている。


さてさて、迷いの感じられない
手慣れた手さばきからラーメンが提供された。

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3月初旬、初襲の時のモノ。


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昨夜、二度目に訪れた際のモノ。


ナルトのアリなしが見た目上の大きな違いであるが、
その他にも
カリカリに片面を炙られたチャーシュー
トロトロの黄身の煮玉子など、
着実にマイナーバージョンアップしている。


スープは、背脂を浮かべこってりには見えるが、
クセのないスッキリとした飲み口の中にも
ズシリと深みのあるとんこつの髄を感じる
骨太のモノ。


コレが実に奥深い。


麺は、鹿児島には珍しい
強縮れの太麺

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最近の太麺インフレ状態 の中では
決して太い方ではないが、
ほどよいススリ心地とシコッとコシを残す歯ごたえ。


絶妙である。



バランスがよい。



味によどみがない。



信念が通っている。






ご店主の開店準備中のblogを垣間見たことがあるが、
その中で綴られている
開店までの不安な心境や悩みなどを、

オクビにも感じさせない

天晴れな味である。




目新しいとか、
奇をてらっているとか、
東京での流行りを追っているとか、

そんなことには一切惑わされない

硬骨漢の味わいであった。




多くの方々が絶賛するのも全くうなずけるというモノ。



いやぁ、ごちそうさまでした。





昼食時間帯に、
往復1時間以内で訪れる、
というわけにはオイソレとは行かないが、

機会があれば絶対に訪れたい店。




今のところ、
一人一人のお客との絆を大切にしたい、
着実に地歩を固めていきたい、
とのことで

マスコミ等の取材をすべてことわっている

とも聞いている。


しかし、今やネットなどであっという間にウワサは広がり、
スグに鹿児島を代表する店のひとつとして
成長して行くものと思われる。


今ならまだ

並ばずに食べられ〼!


(*゚▽゚)ノ





お試しあれ。