小生、ただの麺好きと
思われている向きもあるかも知れないが、
無類の蕎麦好きである。
そんな小生が
以前から機会を見つけて寄ってみたいと
思っていた店があった。
垂水市役所近く、
「十五郎そば」。
鹿児島の、というよりは
大隅半島の蕎麦屋としてまずは筆頭に語られる、
老舗中の老舗であるらしい。
さて、本日はお日柄も良く、
薄曇りながら天気も良好で、
絶好の蕎麦日和である。
(意味不明)
現在一緒にシゴトをしている
岩手出身という、東京在住のSEさんを伴い、
十五郎そばへ。
「私も初体験なので味は保証しかねるんですが…」
とマエ振りも怠りない。
しかも、なぜ鹿児島の醤油が甘いかという
ウンチク
も垂れて、カルチャーショックへの備えも万全である。
県外の方は鹿児島の醤油の甘さ
(というか全ての味付けの甘さ)
に対する免疫がないので、
このような事前準備は重要である。
…え、鹿児島の味付けがなぜ甘いかご存じない?
そりゃいかん!!
というところで、一席。
鹿児島はその昔、琉球(沖縄)と
密貿易をしていて、
砂糖を入手している=お金持ち
という図式が成り立っており、
砂糖をふんだんに振る舞うことがステータス
という文化ができあがっていたのだ。
そこで、少しでも甘く、としているうちに
全体が甘くなってしまったというのだ。
これが、九州全体が甘い味付けの中でも
鹿児島が一段と甘い味付けの文化の所以である。
(さぁ、君もこのネタで飲み屋の人気者になることウケアイである)
話が脱線した。
十五郎そばは、垂水市役所すぐそばの、
国道から一本入った裏手にある。
店構えはいかにも古い蕎麦屋ですよと
自ら主張している。
店内は昼食時であるが、
近所の方々とおぼしき人々が
10名ほど。
「名店」や「老舗」といった格式張った
威厳はどこにもない。
古びた近所の蕎麦屋さんである。
天ぷらそば(\700)と粟めし(\150)をオーダ。
鹿児島の麺屋共通の
漬け物食し放題
ではないようだ。
わずかな待ち時間で提供される。
どうやら蕎麦は先に茹でてあり、
湯通しして天ぷらを乗せるのみらしい。
ダシのよく効いた、パンチのある味付けである。
鹿児島の蕎麦は
自然薯を練り込んだフワフワとした食感が特徴であり、
ここの蕎麦も例に漏れない。
このふわっとした麺には、キツめのダシがよく似合うのだ。
薄口醤油仕立てで、若干甘いが
嫌みになるほどではない。
ダシはカツオの他に、サバ節か何かの
インパクトの強い魚介ダシが仕込まれている。
あっという間に食してしまったが、
一緒に頼んだ粟めしが絶品であった。
粟の甘みが飯と相乗効果を醸し、
キツめのダシの後味をまろやかに包んでくれる。
ぜひ粟めしもお試しいただくことを
強くオススメする。
(※注:「くり」ではありません。「あわ」です。)
うむ。さすがは老舗。
ウマし。
そーなんですよ、甘いわけ。
結構地元のヒトでも知らないんじゃないかな?まぁ、諸説あるうちの一つだとは思うんですが。
でも、説得力あるでしょ?