今回の
3泊4日の東京出張中、

一度も東京のラーメンを食さず。


いや、せっかく今回品川に逗留したのであるから、
少し足を伸ばして
大崎の六厘舎や、
そこまで行かなくても
品達七人衆
などで食すという選択肢もあったのだが、

ハッキリ言って心動かず。


・・・・なんだろう、
ラーメンに対する情熱が薄れた?
(もともとたいした情熱は持ち合わせておらなんだ)


ラーメンが嫌いになった?
(この期間中日本橋高島屋で出展中の
『みそや堂』
にはしっかり顔を出し、
極み辛みそらーめん
に舌鼓打ってるし)



いや、やはり出がけに鹿児島で食してきた

一軒目

素材の持ち味を生かし切ったラーメンを食し、
きっと満足してしまっていたのであろう。


あからさまに言うなら、
東京のラーメンに飽きた
のである。

他店との苛烈な競争の果てに
やたらと極太化した麺、
魚粉をまぶして喰うんですか、え?
と疑いたくなるほど
外連味に走り
結局主義主張を見失った麺、
水の質によるところが大きいと思われるが
どうにも出ないダシを補うためか
ひたすら醤油に頼った味付け。

いずれも素材を生かすことなく、
加工することで成り立っている。


なに?東京ではダシが出ていない?

それはそうであろう、
週に一度は鹿児島で
『みそや堂』の極み辛みそをたしなむ小生、
東京での味は本店鹿児島の
半分のおいしさである
と言いきってしまおう。

それほどまでに
西日本と東日本の水の質の違いにより
味を再現することが困難
なのである。


東京の『みそや堂』の出展で
おいしいと思った諸氏、
鹿児島で食べてみることをオススメする。



倍ウマいから。




そんな鹿児島偏重主義はさておき。



どれほど小生が
小賢しくほざいたところで、
味の好みは千差万別。
同意する御仁もおれば
マッタク同意できないという方もおられよう。


さて、
ラーメンを食さない
麺喰道宗主
はこの4日間

ナニを食しておったのか

というと、
昼食は蕎麦。


まぁ、なんて健康的。

メタボな体型もすっきりスリムに。
(気持ちだけ)


今回逗留したのは
京急線品川駅の一つ南に位置する
北品川の駅前。

一駅と言っても、
たかだか500mほどしか離れておらず、
至って交通の便はよい場所であった。

しかしこの北品川の駅前、
旧東海道の街道沿いの宿場町の姿
色濃く残す、
ナカナカに趣深い街であった。





写真ではあまりそうは感じないであろうが、
古くからの寿司屋やそば屋などがたたずみ、
街全体が歴史を醸していた。

そして、海にも近い。





屋形船がたくさん係留されている。
そして、その波止場のすぐ近くに
近代的な品川再開発地区の高層ビル
迫っているのだ。





その商店街の蕎麦屋へ。

まず初日、月曜日





蕎麦処 栄亀庵。





一般的な蕎麦屋メニューが並ぶ。
その中、
きつねせいろそば
を注文。

「きつね」「せいろ」とは・・・・?





おー。
せいろ蕎麦に、
つゆの中にきつね(お揚げ)とカマボコ
が入っている。

な、なるほど・・・・


つゆに白き肌の蕎麦をぐいとくぐらせ、
ぞぞぞと啜れば。

ほう。

具は別でもよいな・・・・

つゆはほのかに甘く、
そばは細くしなやかにコシ強く。

蕎麦の香もかぐわしい。


あっという間にするすると胃の腑に落ちる蕎麦。


〆はもちろん蕎麦湯。


あー。ウマし。



さてさて二日目、火曜日。

昨日が昼食蕎麦ながら
十分腹持ちして空腹にさいなまれることもなかったため、
再度蕎麦に挑戦。

本日は



手打ちそば しながわ翁

先の「栄亀庵」が庶民的とすれば、
コチラはややビジネス向けか。



価格もワンランク高めの設定。

ここで、

おろしそば(辛味大根)を発見。

これこれ、食してみたかったんだよなぁ。

粋な江戸っ子の蕎麦の啜り方として
この辛味大根によるおろしそばというモノがあると聞き、
一度試してみたかった。




ほほぅ!
この手前のこんもりとした白いモノが
辛味大根のおろしであるのだな。

つゆを器に取り、
辛味大根を半分ほど。

そばをぐいとくぐらせ
ぞぞぞと啜ると・・・・


おっ!!!!

キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!


ピリリと舌を刺激する辛味。
鮮烈にして新鮮な刺激。

ウマし!!

これもまたぺろりと。


たっぷりと蕎麦湯が供されたので、
これで腹を満たす。
意外とこれが腹持ちに効くのだな。

いやぁ、いいねぇ、江戸の習俗。



調子に乗って三日目。
今日はちょっとボリュームを求め
(やっぱ足りてなかったんかい!)
居酒屋の提供するランチの蕎麦にて。



きらく亭なる店。

店内はまんま居酒屋。



黄色っぽい黄昏れた照明
昼には似つかわしくない。

天ぷら盛りそばであったか、それを注文。



あ。ひょっとして
「やってもーた」?

蕎麦はイカニモな袋物の蕎麦。
(と思われ)
エビ2匹、ちっこいキス、タケノコなどの
天ぷらは揚げたてであることがごちそう。

小鉢として付いてきている
モヤシと水菜のマヨネーズ和えが曲者。

このマヨネーズの味で
ただでさえ微かな蕎麦の風味が台無し。

これは最後に食すが吉。

これならよほど、ほぼ同じメニューで
蕎麦をメシに置き換えただけの
天丼セットの方がマシである。

教訓。

『蕎麦は蕎麦屋で・・・・』

(そりゃそうだ)



いずれも
「蕎麦屋の長っ尻はイケねぇや」
という江戸っ子の流儀に則り、
食したあとは早々に辞してきたのであった。