カーボローディング
というコトバがある。
持久力を必要とする競技の前に
炭水化物を過剰に摂取して
即エネルギーに転換できる
グリコーゲン
を体内に蓄積することである。
まぁ、ランチの主力が麺類という小生、
お察しの通り
毎日がカーボローディングですが、ナニか?
・・・・(*´・ω・)
そんな
摂取した炭水化物は
余すことなく脂肪として蓄積する
体重右肩上がりのオッサンのカンチガイ
はさておき。
かつて鹿児島は、北海道に次ぐ
全国第2位のソバ生産県
であった。
それは、もともとソバとは
鹿児島の痩せたシラス台地でも育つ
救荒作物
であったという側面も大きい。
現在では、
多の県が生産量を伸ばす中
鹿児島はどんどん作付面積が減って
現在では第7位まで落ちてきている。
しかし、そのような背景があったにもかかわらず
鹿児島で蕎麦を食せる機会
というのは非常に限られている。
なぜならば、
蕎麦を供する店の絶対量が少ない
のだ。
鹿児島で蕎麦といえば現在では
県内大手のチェーン店
がメインであるといわざるを得ない。
街でも、蕎麦を食せる店といえば
あそことあそことあそこ
と指折り数えられるほどしかないのである。
特にこだわりの蕎麦を出す店などは
郊外に出店する傾向が強く、
天文館などにおいては
古くからの格式張った老舗
ぐらいしか思い当たらないのである。
そんな中、
鹿児島市役所近くで
特徴のあるそばを提供する
新しい店ができたというウワサを
昨年の秋頃に聞いていた。
facebook 上にも
店のページがあるということで
フォローもしていた。
こちらの記事を遡ってみると、
オープンは
平成27年9月9日(水)
であったようだ。
そしてなんと、11月3日の文化の日を機に
一年をメドに
毎日品の変わる日替わり蕎麦
を提供しはじめたようだ。
毎日変わるから日替わりなんじゃないか
と言うことなかれ。
1食目 餡掛けキノコ蕎麦
2食目 牛カレー南蛮そば
3食目 鴨出汁と水菜の塩蕎麦
4食目 ゴボ天蕎麦
5食目 下仁田ネギのつけせいろ蕎麦
6食目 かぼちゃの甘辛煮蕎麦
7食目 青さ海苔と玉ねぎのかき揚げ蕎麦
・・
・
・
といったように、
ほぼ重複することなく
毎日日替わりの変わり蕎麦を
提供しているのである。
おもしろいではないか。
小生、元はといえば
ソバ好き
であって、
ラーメンなど特に興味があったわけではない。
(重大発言)
若かりし頃は県内をドライブして
地方の田舎そばを食す
のを良しとしていたものである。
しかし、天啓を受け
(上司の「オマエ毎日麺ばっかり喰ってるのな。」の一言)
麺喰道宗主を拝命(自分で)
してからは
周りを見渡せばラーメン屋ばっかり
だったので
必然的にラーメンの記事が多くなり
記事を書くほどにラーメンの情報が
集まってくるようになる
という
今ではすっかり
ラーメンブログ
であるかのように思われがちである。
(現状どー見てもそーですΣ(´∀`;))
もし
身の回りが蕎麦屋ばっかりだったら
ソバブログになっていた
のではないかと思われる。
そんなわけで、以前より訪れたいと思っていながら
ズルズルとここまで来てしまったが
ようやく本日訪問する機会に恵まれた。
(やっと思い出したって言え)
そばる
![DSC_2030](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/d/8/d81e8b95-s.jpg)
![DSC_2031](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/2/a/2a61e11d-s.jpg)
場所は、鹿児島市役所前バス停の目の前。
ちなみに本日の日替わり蕎麦は
74食目 鶏団子そば
であった。
いざ、入店!
外からも丸見えという
非常に開かれた造りの店。
カウンターへ。
そばる - Spherical Image - RICOH THETA
8席ほどのカウンターと
奥に小上がりの座敷か。
惜しむらくは小生の前に先客は一人。
後客は一人。
もっと注目され
多くの客で賑わって良さそうなものであるが、
いかんせん蕎麦には
今ひとつ腹持ちのよくない
ダイエット向きのメニュー
であるかのようなイメージがつきまとい
小生のようなガテン系のおっさんには
敬遠されがち。
メニューを見ても、ソレを払拭するように
ガッツリ系のメニュー
もラインナップされている。
![DSC_2024](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/4/b/4b839d5d-s.jpg)
メニュー裏面には
蠱惑的な文字が・・・・(;´Д`)
![DSC_2023](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/0/b/0ba4734b-s.jpg)
至 福 の 昼 酒 セ ッ ト
・・・・あぁ。
ダメ人間になってもいいですか?
さて、勇気を振り絞ってメニューを熟読し、
沈思黙考することしばし。
おもむろに出したオーダーは。
「すいません、ランチセット下さい」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
お ひ る ご は ん に せ ん え ん ! !
昼酒セットに触発され
退廃的な雰囲気に飲まれてしまったか。
昼食に1000円出すなど、なかなかないことである。
(シミッタレ)
なんとなく、この店の実力を試してみたいではないか。
ドンブリに天ぷらにせいろ蕎麦。
そば屋の基本三点セット
が含まれているではないか。
では、お手並み拝見といたしましょうか。
↑
ナニ様!?
着席すると、ほうじ茶などが運ばれてくるが、
ここで特徴的なのは。
![DSC_2021](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/5/5/55c3010b-s.jpg)
![DSC_2022](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/f/5/f5a980ac-s.jpg)
殻をむいたそばの実を
そのまま炒って上から塩を振りかけた
お茶請けの一品。
これを手のひらに適量取り、
ぱくっと食して噛みしめると。
ふんわり口中を満たす香ばしい蕎麦の香り。
あぁ、これだけ袋で売ってもらえないだろうか。
実にいいつまみになりそうである。
おかげで何度かこれをパクついてしまった。
(´-ω-`;)ゞ
一度にたくさん頬張りすぎると
口中の水分を全て吸収されてしまい
口の中がパサパサになってしまうので
注意されたし。
(。-`ω-)
↑
経験者は語る
店内に従業員は男性2名に女性1名。
女性は接客メインで、
男性の一人が調理に入り、
もう一人の男性は蕎麦を伸しはじめた。
![DSC_2026](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/c/a/cab9e033-s.jpg)
一般に、蕎麦打ちの工程は
水回し
↓
練り
↓
くくり
↓
丸出し
↓
角出し
↓
伸し
↓
畳み
↓
切り
↓
茹で
となっている。
(文献ごとに各工程に細かい差異有り)
小生も10数年前まではシュミで
蕎麦を打っていたこともあるため
各工程の大変さはほんの断片ながら
わかっているつもりである。
今回は、そのうちの
くくりの終わったそば玉
を取り出し
丸出し、角出しといった
伸し
の作業から入っていった。
丁寧に伸し
打ち粉を打って
コマ板を当てながら切る。
見ていて気持ちのよい作業である。
さて、そんなことに気を取られているうちに
別働隊が三連小鉢を運んできた。
![DSC_2027](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/f/9/f9cec0f8-s.jpg)
右から
水菜とおからのサラダ
まぐろの中落ちとタコや鯛の海鮮丼
季節の野菜の天ぷら
である。
うれしいのは、天ぷらの野菜の中に
季節のモノ
タラの芽
が入っていたこと。
ほろ苦さが春に向けての季節の移り変わりを
感じさせてくれる。
どれも小振りで
それぞれが満腹感を醸成させてくれるモノではないが、
少しずつでも手のかかった一品を
一度に食せるというのは
日本ならではの
おもてなし精神
を感じさせる。
さて、少し時間差を持って
せいろ蕎麦の登場。
![DSC_2028](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/7/f/7f49a9c6-s.jpg)
![DSC_2029](https://livedoor.blogimg.jp/menkuidou/imgs/1/f/1f3dd5db-s.jpg)
つゆにくぐらせ
ゾゾゾといただく。
意外なのは、甘い醤油の文化圏鹿児島にありながら、
つゆがソレほど甘くないということ。
東京のようにひたすら塩っぱいわけではないが、
十分に『甘くない』。
それに対し、卓上に置かれていたかけ醤油は、
そこまで甘くはないが
鹿児島の醤油であると感じさせる甘さを持ったもの。
海鮮丼にかけるにはちょうどよい甘さであった。
天ぷらは塩でいただいた。
これまた揚げたてでサックリとしており
ウマし。
水菜のサラダも、
おからと白和えの中間といった感じで
薄味ながら美味であった。
いやいや、なかなか魅せられるではないか。
鹿児島の蕎麦といえば
地蕎麦は自然薯を使ったブツブツ切れるものが定番。
これにコンブ、カツオ、イリコなどのダシのツユを張った
かけそばが主流であるが、
そちらに振るのではなく
あくまで全国区の主流に乗って
さらに
いろいろな仕組みとリーズナブルさで勝負してくる。
面白い店ができたものだ。
ただいかんせん鹿児島、
蕎麦を食するという文化そのものに馴染みが薄く
営業的には苦戦しているのかも知れないが、
いずれは結実する日が来るであろう。
なかなかこの内容で
1000円でいただける店はないですよ。
お試しあれ。