昭和という時代は実は
あいだに
平成という時代が30年間も
挟まっているので
思っている以上に昔だ。
そんな昭和時代のお話し。
かつては音楽を聴くといったら
レコードをかけるか
FMラジオでエアチェックするか
など限られた手段しかなかった。
そのレコードから
もっと手軽に音楽が聴けるように
カセットテープにダビングする
などというのは日常の風景であった。
レコードは再生するにあたっては
取り扱いに慎重さを要し
持ち運びも不便なシロモノだったからである。
なお、「レコード」と気軽に書いているが
ここでいうレコードとは
ポリ塩化ビニールなどの樹脂でできた円盤状のもので
その表面に一本の
外周から内周に向かって徐々に内側に移動する
音溝
が掘られており
その音溝をトレースする針の
((左右の振れ))
で音を再生する仕組みで
のちのデジタルメディアと区別するために
アナログディスク
などとも呼ばれる。
レコードに音を録音する際には逆に
音の振動を音溝に彫り込み
原盤を作ってそれを複製することで
製作される。
レコードというもの
ポリ塩化ビニールでできているので
帯電しやすく
つまり静電気でゴミなどを寄せ付けやすい。
まっさらなレコードを
はじめてジャケットから取りだしても
周囲が乾燥していると
パリパリと静電気を発して
あっという間に微細なゴミが寄ってくるのであった。
このゴミがレコードに付着していると
針でレコード表面をなぞる際に
ゴミを拾ってしまい
ぱちっ!
とか
バリッ!
とか
ダストノイズを発生させる。
聴いていてキモチのいいものではないし
レコード盤にも針にも悪影響があるため
レコードを再生する際には
事前に表面を
ベルベット地でできた
レコードクリーナー
で掃除するのが鉄則であるが
帯電してしまっていると
せっかく取ったゴミが再度付着したり
空気中に浮遊する微細なゴミを引き寄せたりと
なかなかキレイにならないのであった。
そこに登場したのが
コロナ放電
をレコード表面に発生させ
除電したあとに回転ブラシでゴミを取る
という画期的な製品。
昔はウチにもあったのだが
なんだったっけ?
とグーグルせんせーに
「レコード コロナ放電 クリーナー」
と聞いてみるとあっという間に解決。
Lo-DのAD-095
という製品であった。

まさしくコレコレ。
これをレコードを乗せたターンテーブルに載せ
ターンテーブルの軸にセットしスイッチを入れると
うぃ~んと軸を中心に回り出し
ブラシが回転してゴミをかき取る。
そしてその際に
何とも言えぬ
うっすらとしたオゾンのニオイ
が立ちのぼるものであった。
仕組みをシゲシゲ観察してみると
レコードに接するかどうかという場所に
1cm間隔ほどで先の尖った電極が付いており
回転中はそこから


しているところが見られるのであった。
暗いところで見るとこの
薄紫のコロナ放電と
立ちのぼるオゾン臭で
なんとも幻想的な雰囲気であった。
↑
そうか?
ちなみに
ろーでぃー
Lo-D
とは
日立製作所のオーディオブランド
であったが
トンと見かけなくなってしまった。
どうやら細々とブランド名は継続していたが
2019年に消滅したらしい。
いやー、懐かしい。
そんなかつてのAVマニアはさておき。
(アダルティなヴィデヲではない)